言葉と思考・観たもの感じたもの🎹🌼🌿🌷🐦✨

演劇・映画・音楽を観た感想を書いてます。日記のような思考の記録もあります。

07.映画「BLUE GIANT」

 

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※本編の内容を含みます。

 

JASSの音楽を浴びてきました!!音とすごい熱量で体に届いてきて、もう衝撃がすごかったです。劇中の物語のメインとなっている大、雪祈、玉田のジャズバンドであるJASSのライブを体感してきました!!ほんとうにすごかったです。音圧っていうんでしょうか。ちょっと放心状態になるほど、すごかったです。私はジャズをほとんど聴いたことがない人生だったのですが。大の熱いプレーにジャズって、こんなに熱いかっこいい音楽なの!?という衝撃がすごかったです。玉田が初めて大の演奏を聴いたときの反応は、まさに自分だと思うくらい玉田と似た反応でした。大の演奏はふるえるような、びりびりとしびれる、熱とエナジーと感情が音を通して伝わってきました。

 

大のサックスを聴いて触発され、ドラムを物凄い勢いでのめり込んで上達していく玉田。きっと玉田は、大や雪紀のようにすごい才能を持っているっていうわけではなくって。だけど、玉田の真っ直ぐさ、愚直さ、真面目さ、負けない強さがドラムに表れていて。部屋で布団かぶってバケツの裏を叩いていた玉田が、玉田の本気を表していて。あんなにひたむきになれる玉田って…めちゃくちゃかっこいかったです。

初ライブのあとに、玉田にとっては己の現実を突きつけられる悔しい苦いライブになって。ライブ中の心が折れそうになるアニメの表現はまじで自分のことのように苦しくなりました。大と雪祈と別れたあとに、ひとりになって大泣きする玉田。このあとのシーンが私は大好きで。悔しさを吹っ切るようにご飯をもりもりと食べる玉田。何はなくとも飯だ!ご飯食べずに練習できるか!って言ってるかのように、これから目一杯練習して追いついてやるぞってご飯を食べるのです。このシーンが大好きです。

 

そんな玉田のプレーを一番最初のライブから聴いていたお客さんがいて。最後のSo BLUEでのライブでは、一からのまったくの初心者だった玉田はすごい上手になって熱いソロのプレーを魅せて魅せてお客さんを圧倒させて。そこには、一番最初から聴いて観ててくれたお客さんの姿があって。玉田からここまでできるんだぞっ ていう可能性を見せられて魅せられて、どーんと心に重く入ってくるライブで。もう私は玉田に共感して感情移入して観ていました。

 

玉田が大の演奏に合わせて、コーラの空き缶を箸で叩いてリズムを取って音を鳴らしていたときに、生まれた自分の感情に気づく場面!そこの演出が、すごくふわああうわああって玉田の中に生まれた感情とわくわく楽しいがおっちにあるよっていう予感とがすごく画面を通して伝わってきて。振り返ると自分が演劇と出会ったときも、こういう感じだったなっていうわくわく猛烈に心が惹かれるものに出会ったときのことを思い出して。胸がぎゅううとなりました。素敵な瞬間ですよね。大がJAZZと出会ったときもそうだし、誰かが目を輝かせて心から惹かれるものとの出会いの瞬間に立ち会えるって、すごいことだし、幸せなことなんだなあって思いました。

 

幸祈が玉田のドラムをメンバーにすることに意を唱えたときに大が言った言葉がほんとう好き。誰でも最初は初めてだからって!あれは玉田を知ってる大だから玉田を信じてる言葉で。そして何かをはじめようとしているひとの背中を押す言葉で、めちゃくちゃ好きでした。大は自分の演奏がジャズが玉田に響いてドラムをやってみたい!って目を輝かせてる玉田を見てすごくうれしかったんだろうなぁ。短いせりふだったけど、大の表情と声からそれを感じました。

 

玉田とあるお客さんがライブ後に話をする場面。ここが私的に、胸を打ってほんとうにこの場面大好きです。玉田とお客さんとの関係。お客さんの存在の大きさと、玉田がまたがんばるエネルギーをもらうんですよね。見るって、愛だと思うんですよね。うまいとかじゃないけど、見続けるって。そういう、玉田とお客さんとの関係。涙なしには観れませんでした。

 

雪祈の不器用な優しさがとても魅力的で。現実の厳しさを知っていて、表には出さないけれど誰より強い想いを持っていて。でも厳しい自分の見つめたくない部分を突きつけられてからの雪祈は、自分なりのまっすぐで向き合っていって。たぶんかっこわるいって思ってたものを、かっこわるくたっていいって雪祈自身が体当たりで全身でぶつかるような今までにない突破した感があって。痛みを伴う、痛みながら、突破していく雪祈の姿がかかっこよくて。心がううってなり、私もがんばろうってすごく思いました。

 

私の話になるのですが。今まで生きてる中で、どうしようない叫びたくなるような気持ちになったときに。言葉では言い表せられなくて。そういうときに、ピアノを弾いて音にしたときにその言い表せなかった感情を音によって自分の気持ちを代弁してくれてる感覚になったことがあって。アコースティックギターを初心者なので何もわからず、だけど思うがままにかき鳴らして音にしたときにもそれを感じて。生の音って空気の振動がすごく体に伝わってきて。癒やされたり、浄化されたり、鼓舞されたり、パワーをもらったり、言葉にできない部分があることを奏でてくれていて。言葉だともっと頭でっかちになったり言われたことに対して逆に考えすぎてしまったり受け取るのどうしても頭を使うけど。音は体にダイレクトに伝わってくるから、ライブシーンの演出アニメーションがライブの体感してる感覚がアニメーションになって動いていて。演奏してる側の感覚的なものも入っていて。セリフとか説明とか言葉でなくて、視覚的な映像でそれが体験できて。目で音を見てるような、面白い体験でした。ライブのときのアニメーションとっても好きです。パンフレットを読むとそのライブ中の演出・アニメーションについても書かれていて。制作陣の方の言葉を読んだので、さらにもう一回観たいなって思いました。

 

JASSの三人のプレーは、大の底から湧き上がってくるような熱いエネルギーと強い意志と悲しみを知ってるひとの音だなって感じたのです。だから、こんなに胸を打たれるんだなって思いました。

 

今回雪祈のピアノと、JASSの曲の作曲と全部の音楽を担当されている上原ひろみさんすごいです…もうこのJASSの曲すごいですよね。私はNEWという曲がめちゃめちゃ好みで。かっこよくてぐいぐい惹き込まれました。とにかくかっこいいんですよね。物語が進むにつれ三人の演奏も変わっていっていて。それがまたぞくぞくしました。最後のSo Blueでの演奏はもうこれでもかと浴びる音たちがほんとうにすごかったです。

 

大のまっすぐな信じている声。大は自分のことを信じているし、幸祈ことを信じているし、玉田のことを信じている。声からそれが伝わってきて、大の説得力になっていて。山田裕貴さんすげえ〜〜〜って。

 

宮本大(山田裕貴)、沢辺雪祈(間宮祥太朗)、玉田俊二(岡山天音)のメインの三人の声は声優じゃない俳優の御三方が演じてられていて。私は原作の漫画は読んだことないまま映画を観たのですが。声から大、雪祈、玉田がどういう人なのかっていうのがすごく伝わってきて。三人のやり取りのシーンが、好きでした!!友情なんだけど、友情だけじゃないっていうか。声からそれぞれ三人の熱いものを感じました。素敵だったなぁ。

 

大の目はまっすぐ世界一のジャズプレーヤーになるってそこに向かって揺るぎがなくて。大のすごいところって、いっぱいあるけどまっすぐ向かっていけるところだなってすごく感じます。揺るぎがない。本人は好きで夢中になっていておれは世界一のジャズプレーヤーになるってそこに向かって信じていて。そこに伴う行動が毎日何時間も吹き続ける練習することも大にとっては世界一のジャズプレーヤーになるんだからあたりまえっていう感覚なんだろうなって感じて。大のこの考え方は、自分にも取り入れていきたいと思いました。映画では描かれていなかったけど、上京するまでの大のことも知りたいって思いました。そこは漫画を追いかけます。今年一回でも生でジャズのライブに行ってみたいなって思いました。

 

パンフレットがレコードのジャケット仕様になっていてめちゃめちゃかっこいいです!!家の一番良いところに飾ってます♪

 

原作:石塚真一

監督:立川譲

音楽:上原ひろみ

脚本:NUMBER8

 

キャスト

山田裕貴

間宮祥太朗

岡山天音

 

ミュージック

サックス演奏:馬場智章

作曲・編曲・ピアノ演奏:上原ひろみ

ドラム演奏:石若駿